残念なことではありますが、私たちは日々環境汚染に囲まれて暮らしています。

私たちの身の回りには、自動車の排気ガス、受動喫煙、農薬や汚染土壌に至るまで、数千年あるいは数百年前にはほぼ存在しなかった(発明もされていなかった)不自然な汚染物質があふれています。

環境汚染がもたらす健康被害

世界保健機関(WHO)によると、大気汚染が安全性指針を超える地域に住んでいる人は、全世界の人口の90%以上に上るということです。大気汚染は脳梗塞、心臓病、肺がん、喘息などの慢性および急性の呼吸器疾患に関連する主要環境リスクとして知られています。

汚染は私たちの心の状態にも影響します。

57才から85才の女性7万人以上を対象とした大規模なコホート研究の結果、大気汚染にさらされやすいことと不安症状の間に有意な相関性が認められました。

WHOはまた、高濃度の大気汚染への暴露が死亡率の増加率と密接に関係していることを指摘しています。逆に、空気中の細かい微粒子の濃度が低減されると死亡率が下降することも言及されています。

環境汚染への健康対策を練りましょう

これは怖ろしいことだと思われたかも知れませんが、心配する必要はありません。気に病んでも悩みごとを招くだけです。

汚染の悪影響から身を守るためにできる、ポジティブな工夫にフォーカスを合わせましょう。個人の食生活から大規模な社会的変革に至るまで、汚染とその影響への対策はたくさんあります。

近頃の研究で、大気汚染から身を守るにはビタミンB群が有益であることが証明されました。

これは初期的な研究ですが、ビタミンBを4週間にわたり補給し、遺伝子上の10カ所に着目したところ、大気汚染による悪影響が28%下がり、これに起因する変化が76%程度にまで低減したということです。

また、細胞中でエネルギーの生成をつかさどるミトコンドリアに及ぶ影響が緩和されたことも確認されました。さらなる研究が必要な段階ではあるものの、ビタミンB群が人体の遺伝子レベルに及ぶ大気汚染の影響力を抑制できるという発表に期待が高まっています。

体内に汚染が及ぶ経路とは

体内に汚染が及ぶ経路は様々ですが、もその主たるもののひとつです。

鉛は神経系をはじめ体内のほぼすべての領域に悪影響を及ぼす非常に毒性の強い重金属です。鉛は古い水道管からにじみ出て、私たちの飲用水に混じりこむことがあります。鉛などの重金属類の毒素が飲用水から体内に入ってくるのを防ぐには、高品質の浄水フィルターが利用できます。

飲用水に鉛が混入しているか調べる検査は多くの自治体が無料か低額で提供しています。

検査に来てもらえない場合は、飲み水をグラスに注ぐ前に数分間(水の温度が変わるまで)蛇口を開け、水を流しておくだけでも水道水中の鉛の濃度を大幅に減らすことができます。

スモッグ

フリーラジカルはスモッグなどあらゆる汚染によって体内に入ってきます。微細な汚染物質は体にとって有害な酸化ストレスを引き起こし、老化の兆候が現れるのを早めてしまいます。

汚染のもたらすフリーラジカルから体を守るには、抗酸化物質をたっぷりと摂取しておく必要があります。汚染の深刻な都市部に住んでいる場合は特に抗酸化物質の確保を心がけたほうがよいでしょう。

抗酸化物質で健康対策を

新鮮な果物、野菜、ハーブ類の豊富な食事をすると、抗酸化物質として機能する栄養素が補給できます。抗酸化物質という言葉を知っている人なら、ビタミンA、C、Eがフリーラジカルの攻撃から身を守ってくれることはご存知でしょう。

ところが、より高い効力を有するオリゴメリック・プロアントシアニジン (OPCs) はまださほどの知名度がないようです。抗酸化能力で比較すると、OPCの効力はビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍と言われています。

OPCはポリフェノールと呼ばれる栄養素の一種です。非常に強力な抗酸化物質で、体内のフリーラジカルを中和してくれます。この物質は数百種にのぼる植物に含まれており、なかでも種子や樹皮など繊維質の密集した部分に集中しています。

含有量の多い原材料は、ブドウ種子とマツの樹皮です。OPCはブドウ種子に多量に含まれていますので、赤ワインがよい摂取源となり得ます。適量の赤ワインを飲むことで、汚染によって体内に入り込んだフリーラジカルに対抗できるというわけです。

デトックスをしてくれる食品

食生活を通じて汚染に対抗するなら、デトックスを助けてくれる食品も見逃せません。

例えば、レンズ豆、インゲン豆、緑豆、ヒヨコ豆はいずれもデトックスに有効であることが知られています。どんなスープにも手軽に加えておいしく食べられるのも魅力です。

できれば一晩水に浸してから、じっくりと時間をかけて煮込む(か、圧力鍋と使う)と、栄養が吸収しやすくなりますし、潜在的な弊害が指摘されているレクチンというタンパク質を変性させることができます。

食物繊維

体内の毒素を排出するには、食物繊維の豊富な食事も有益です。それは消化の過程で繊維がある種の化学物質や毒素をからめ取ってくれるからです。

繊維自体は体に吸収されませんので、繊維と結合した汚染物質も体内に吸収されずに出ていきます。青果類に残留している可能性のある殺虫剤や除草剤、殺菌剤からも、食物繊維が体を守ってくれるのです。

観葉植物が空気清浄してくれる

アメリカ国立航空宇宙局 (NASA)によると、家庭内では観葉植物を使って空気汚染に対抗できるそうです。

NASAとランドスケープ協会(全米規模の事業者団体)の共同研究では、ごく一般的な観葉植物が有害物質、なかでもベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレンといったものを濾過し、空気をきれいにする作用を有していることが分かりました。

屋内の空気を保つのに役立つ植物として、当初の研究に加えて、他でも名前があがったのは、アロエベラ、アレカヤシ、アグラオネマ、セイヨウキヅタ、イチジク、ガーベラ、ドラセナ(ジャネット・クレイグ、ワーネッキー、マルギナータ、フラグランスなど)、サンセベリア、スパティフィラム、イエギクなどです。

研究結果に基づいて、100平方フィート(およそ6畳)に1鉢以上、観葉植物を置くことが推奨されています。そんなにたくさん置けないという場合は、居間や寝室、仕事部屋など、特に過ごす時間の長い場所を選んで置くとよいでしょう。

まとめ

大気汚染から人類を永続的に守るには、社会的変革や地球工学的プロジェクトも必要です。

都市化の進む郊外や開発途上の地域では特に、石炭燃料系や農業廃棄物の焼却、森林火災、一部農林業(木炭生産など)による排出ガスを削減することが望まれます。多数の国がクリーンな技術に投資し、工業用煙突の排出ガスを削減したり、クリーンな発電に移行したりといった工夫をしています。

こういった変化には時間がかかるものですが、市民が積極的に政治に働きかけていけば、変化を促進することができます。

また、日々の買い物をお金による「投票」と考えて、低排出ガスの車を選んだり、公共交通機関を利用したり、地元の果物や野菜を購入したり、自転車通勤にしたりと、汚染と戦う産業を支援する方法もあります。

社会の仕組みと産業がよりクリーンで持続可能なものに移り変わるまで、私たちは自力で汚染に対処しなければなりません。自分自身の体と生活環境に配慮して、個人レベルでできることをやっていきましょう。