私たちは心に感じていることをボディランゲージによって常に相手に向けて伝えています。それは家庭でも職場でも、新しい恋人とのデートでも同じです。

気持ちを強調するためにウインクしたり、本音を隠すために微笑んだり、作り笑いで裏切りをごましたり、といった風に、ボディランゲージには様々な用途や役割があります。

身の回りの人たちのボディランゲージを深く理解し、自分の立ち居振る舞いをコントロールすることで、人生のあらゆる場面におけるコミュニケーションをより円滑なものにすることができます。

非言語的なメッセージは常に発信されています

そして無意識のうちに相手のボディランゲージを読み取ってもいます。ボディランゲージによる情報に対する反応は本能的なもので、当人にコミュニケーションをしているという意図はないこともよくあります。

目に涙をためてうつむいている友達に対する反応と、握りこぶしを腰にあてて口をへの字にしている友達に対する反応は、自ずと違ったものになるはずです。一言も言葉を交わしていなくとも、そこではすでに言外のコミュニケーションが成立しています。

コミュニケーション全般の中でボディランゲージが占める割合については様々な研究が行われており、50~70%とする説もあれば、90%以上と認めている報告もあります。

何かを論破しようとしている時や要点を明確にしたい時に、ボディランゲージがどれほど重要かは推して知るべし、です。言葉が重要であることも事実ですが、何を言うかにばかり気をとられてボディランゲージがおろそかになっていると、討論でどんなに確かなデータに基づいて話していても説得力に欠けてしまうかも知れません。

姿勢、動作、視線、手振り、呼吸、体表の温度など、身体のあらゆる要素が常にメッセージを送り出しています。そのメッセージは、その人が身体的な反応や動作をどの程度コントロールできるかによっても変わってきます。

ボディランゲージには伝達内容を強調するものがあります

例えば、道順を説明する時に方向を指さすといった動作は、シンプルながら発言内容を繰り返すようにして強調しています。はい、と答えながらうなずくのも同様です。

ところが、はい、と口で同意しつつウインクをした場合はどうでしょうか。状況によっては言葉を裏返して解釈するべき逆のメッセージとも受け取れます。

「ありがとう」の一言にしても、笑顔で言うか、しかめっ面で言うかによって大きな違いがあります。一方は感謝の気持ちを強く伝えるメッセージですが、他方は怒りや恨みが見え隠れします。

コントロールや理解の難しいボディランゲージというのも存在します。一般的には感情的な人ほどボディランゲージのコントロールが難しいと言えるでしょう。ある種の感情については、体の反応を意図的に変えるのが困難な場合があります。悲しい時に涙が出たり、怒りで震えたり、緊張で汗がにじんだり、嬉しさでつい笑顔になったり、といった反応は制御しようのないことも多いものです。

赤面は怒りか恥ずかしさを表すことが多いものの、ついさっきまで激しい運動をしていただけ、ということもあり得ます。ボディランゲージを理解するには、環境も要因として考慮しなければなりません。

例えば震えが恐怖からくるのか、寒さからくるのかは、室温で判断できる可能性があります。顔面の紅潮の原因が怒り、恥ずかしさ、運動直後のいずれなのかは他の要素も考えないと区別しにくいかも知れません。

ボディランゲージには見た目には微細なものもる

時には口元のほんのわずかな変化も感情を物語ります。口角が上がっているときは、気分が良いか楽観的であることが読み取れます。逆に下がっているときは不満や悲しみを示していると考えられます。激しい感情でおもわず顔をしかめるような場合は、とても分かりやすいボディランゲージと言えます。

ボディランゲージは単一の動作や姿勢だけで成立するものではありません。

幸せな気分は、微笑みや目の開き具合、笑い、組んでいない腕や足、好ましいアイコンタクト、良い姿勢、ほぐれた筋肉などが相まって表現されます。

驚きは顔面や首の紅潮、視線の下がり方、頭の動き、縮こまるような姿勢、アイコンタクトの欠如、ゆがんだ表情などを伴います。

どちらの例でも、その人がどんな気持ちでいるかは、たくさんのサインから容易に理解できます。それは同時に、自分のボディランゲージを磨くためには、たくさんの工夫が必要になることを意味しています。

感情的に特別高揚しているわけでも落ち込んでいるわけでもない状態であれば、比較的容易にボディランゲージをコントロールできます。場合によっては非言語的な表現が自分の意図ではどうにもできず出てしまうこともあります。

それでも自分のボディランゲージを日ごろから意識し、落ち着いた状態を把握していれば、感情的に揺さぶられるような事態に直面しても制御しやすくなるでしょう。

人は全身からメッセージを発しています。指、手、腕、脚、足、姿勢、動作、席のとり方など、少し考えてみれば、コミュニケーションの多くを非言語的要素が占めていることはよく分かります。

人と関わるなかでたくさんの手がかりを探してつなぎ合わせていくという点で、ボディランゲージはパズルに似ていますが、練習を重ね、自分のボディランゲージも折に触れて見直すことで、雑多なパズルのピースだったものが全体像を結んでいくようになります。

そうなればごくわずかな判断材料にこだわって相手のメッセージを読み違えるようなことはなくなります。

鏡に向かって自分と対話

週に1回か可能ならそれ以上、鏡に向かって自分と対話する時間を作ってみて下さい。

自分の動作を観察し、それがどんなメッセージを発信しているかをよく見るのです。

また、話し相手がその動作をした時にどんな印象を持つかも考えましょう。 自習を繰り返せば、自分が発信しているメッセージも、他の人の非言語メッセージも、より深く理解できるようになるはずです。