健康に役立つ雑草についてお話ししましょう。まずはありふれた野の草花を見直してみませんか?

思いも寄らない所においしくヘルシーな食材となる雑草が見つかるかも知れません。園芸では厄介な存在でも、増やしたくなるほどの価値を秘めている可能性があります。いつの間にか裏庭に茂っているも
の、道端でよく見かけるものの中から、そんな植物をいくつかご紹介しましょう。

ネトル(セイヨウイラクサ)

とげのあるイラクサは嫌われ者の雑草ナンバーワンかも知れません。葉と茎には細かいとげが生えていて、触れると皮膚に強い痛みを感じさせる物質が注入されます。

ところが、イラクサはビタミンA、B、Cが豊富で、カルシウム、マグネシウム、その他のミネラル類も含有しています。また、エストロゲンの合成を補助し、情動面に寄与する作用もあります。

さらに、研究により、日常的に摂取することで記憶の消失を改善できる可能性があると示されています。茹でる、蒸す、乾燥させるなどの処理をして使いますが、必ず手袋を着用するなど、取り扱いには注意が必要です。

シソ

シソは日本、韓国、ベトナムでは馴染みのあるハーブです。赤紫蘇、青紫蘇ともビタミンAとビタミンCが豊富で、免疫系を丈夫にするとも考えられています。

ミントとフェンネルを組み合わせたような風味は独特で、おいしく食べられます。

繁殖力が強く、こぼれ種からどんどん発芽します。隣家に種を飛ばさないよう注意した方がよいでしょう。

タンポポ

タンポポは非常に丈夫な植物です。芝生の庭では特に厄介な雑草として扱われていますが、おいしくヘルシーで手に入りやすい食材として捉えれば、その丈夫さも美徳のひとつです。

タンポポは花も葉も茎も食べられます。タンポポの花はジャムやお茶、ワインなどに加工できます。

花、葉、茎をサラダの材料にしたり、スープやスムージーに混ぜたりしてもよいでしょう。根には肝臓を浄化する作用があります。また、傷を癒す効果もあるので、自家製の軟膏やボディケア用品に使われています。

スベリヒユ

スベリヒユはごくありふれた雑草です。人知れず、都市部の歩道のひび割れた所にまで生えています。

スベリヒユはレモンを思わせるようなほのかな酸味と塩気のある葉野菜です。生薬としてはバシケンの名で知られ、サーモンに豊富なヘルシーな脂肪、オメガ3脂肪酸の優れた摂取源(植物では最も効率
的)になります。スベリヒユ100gでα-リノレン酸が最大で400mg摂取できるそうです。

調理後の分量で葉部1カップ (250ml) につき、カルシウムが90mg、カリウム561mg、ビタミンA 2,000 IUが含まれています。葉だけでなく、茎や花も可食部です。

生でも、軽く火を通しても構いません。サラダに加えてみるとよいでしょう。 世界各地で雑草とみなされていますが、地中海の食文化では珍重されてきました。

カンゾウ(萱草)

ワスレグサの仲間を雑草と考える人はあまりいないかも知れませんが、栄養価の面で見過ごされているという点では他の食べられる雑草と共通しています。

ユリに似た花は咲くとその日のうちに落ちてしまうと言われ、英語ではデイリリーと呼ばれています。

夕方に花を摘み取ってサラダに加えると、ビタミンAたっぷりの風味豊かな夕食が楽しめます。野生種(オレンジ色のワスレグサ Hemerocallis fulva や黄色のマンシュウキスゲ H. lilioasphodelus など)を食用に採取する場合は、姿のよく似たユリ科(有毒植物が多い)のものと間違わないよう、充分な注意が必要です。

ワイルドキャロット

英語で「アン女王のレース」の異名を持つこの雑草もタンポポ同様とても丈夫で、放置するとすぐに芝生の庭を侵食してしまいます。タンポポとは違って、主に食用となるのは根の部分です。

指のような形の細長い根はニンジンに似た使い方ができるので、野良人参の別名もあります。

花も食べることはできますが、秋に根をスープやシチューに入れると自然の恵みをおいしくいただけます。

オオバコ

オオバコもまた、歩道の亀裂や砂利のように過酷な環境でも生育する強い植物です。

実は誰もが知っている緑の葉野菜、ホウレンソウと近い種類で、鉄分、ビタミンA、ビタミンCを豊富に含んでいます。

柔らかくなるまで調理が必要ですが、ホウレンソウと同じように使えます。おいしく食べられるだけでなく、毒消しや炎症対策になる成分が摂取できます。