生きるに欠かせない健康の源、水の役割とは?

地球上のどんな植物も動物も、生きていくには水が必要です。

この重要性にもかかわらず、地球上で価値が最もおろそかにされている天然資源のひとつとなっています。人口増加、経済発展と持続可能性を考慮しない慣行は、私たちの利用可能な水資源を危険にさらしています。

私たち現世代のためだけでなく、次世代以降のためにも飲み水の供給を守っていくには、今の生活を変えるべきです。それにはたくさんの理由があります。

全ての筋肉組織の約75%は水分から成っています。脂肪組織にもおよそ10%の水分が含まれています。

一つ一つの細胞にも水分が含まれており、老廃物を運び出す間に酸素や栄養素を運ぶ役割を果たしています。また水分は目や口、鼻といった部位で潤いを保つ働きをします。目に水分がなければ、ほんのまばたきでも不快な感じがするでしょう。

水分は臓器や組織を守るのはもちろん、消化や排泄を助け、体温を調整し、関節を動きやすくし、腎臓を守る働きをしますが、それだけでなく、もっと多くの役割があります。

水はどのくらいの量を飲めばよいのか?

一人あたりどれくらいの水を飲むべきなのか、ということに関して言えば、いくつかの説があります。

その中でも多数派は8×8、つまり8オンスを8杯飲む(総量64オンス、約1900cc)というものです。

この数値が基準となりますが、頻繁に運動をする人や高温の気候区域に住む人は、汗として排出される量が多いので水分をもっと補給する必要があります。

摂取量8×8の根拠をあやしく思っていませんか。単純に喉が渇いた時に飲めばよいわけではありません。

その理由は、体が水を欲する時点で、体の水分総量の約1%を既に失っているからです。

高齢者ほどこの割合は高くなります。というのも、加齢とともに喉の渇きを知らせるサインが遅れるためです。

軽い脱水症状は頭痛や疲労、イライラする大きな原因となります。

水分が足りなくなるとどのような症状が出るか?

研究によると脱水症状は気分のムラ、集中力や認識力に影響するとしています。水分の欠乏が長引く片頭痛を誘発する、としている観察研究もあります。脱水による頭痛が起こると、体内の水分量を元に戻すだけでは片頭痛を抑えるのに足りない可能性も出てきます。

水分の欠乏と脱水症状は身体的な動きを損なうことが長く知られてきましたが、最新の研究では軽い脱水症状でも身体能力に影響を及ぼすことが分かりました。

適量を摂取しないと、懸命に動いている体が効果的に体そのものを冷ますことができなくなり、熱性疲労を引き起こしたり、より重度なら熱中症を発症することにも繋がります。

身体的に厳しい運動をする間には体重の6~10%相当を発汗により失う可能性があります。適量の水を摂取せず、失った分を補給しないと、体はエネルギーが不足し、筋肉は痙攣を起こすかもしれません。

脱水を防ぐには、運動前や運動中はもちろん運動後にも水を飲まなければなりません。

軽度の脱水は、注意力、短期記憶、知覚判別、演算能力、視覚追跡、精神運動に否定的な変化をもたらします。公園でサッカーをプレーしたり、オフィスでテキパキ働いていても、喉の渇きを待たずに定期的に水を飲むようにしましょう。そうすればこれらの問題を避けることができます。

水を飲むことがダイエットにも効果がある

もっと水を飲むべきであるという以上の理由をもってしても十分に納得できないというのなら、もう一つ、多くの人が知らない理由を挙げましょう。

水を飲むことは体重管理にとても役立つ方法なのです。私たちは時々、喉の渇きをお腹が空いていると勘違いし、不必要におやつを食べたりしています。

数キロでも体重を落とそうと頑張っている人なら、水分を補給する方がより手軽だということがやってみれば分かるはずです。

食事の前に一杯の水を飲めばカロリー摂取量を控える手助けになります。

胃に取り込まれた水は食べ物と混ざり合い、より早く満腹感を得やすくなります。もちろん、新鮮なピュアな水(もしくはハーブティー)が一番ですが、炭酸水、ジュース、スポーツドリンクなどを予め飲んだ場合もカロリー摂取の抑制が期待できます。

水分を多く含む食べ物も体重を抑えるのに役に立ちます。なぜなら量が多く見え、かさがある分よく噛んで食べる必要があるからです。

よく噛めば噛むほど、体はよりゆっくり消化するようになり、満腹感を得られるようになります。このような水分の多い食べ物には、豆類、オートミール、汁気の多いスープ、果物や野菜が挙げられます

水を飲むと消化を助ける

また水はいくつかの方法で消化の手助けをします。水によって体は脂肪を乳化させ、水溶性食物繊維に結合させます。

便の量を増やし、腸内に留まる時間を減らし、排泄しやすくします。消化管に入ると、水はモチリン、ガストリン、膵臓ポリペプチド、血管作動性腸管ペプチドやその他腸管ホルモンの分泌を促進させます。また、水は便秘を予防し、体から排泄物が排出されるのを助けることで、腎臓や肝臓の負担を減らします。

水を十分に飲んでいないと、他の部位で使うために体は結腸から水分を取り込み、これが便秘に繋がります。体全体で水は不可欠なものであり、健康を保つ多くの働きをしているにもかかわらず、体に水を貯めておくことはできません。

カロリーはエネルギーとして後に使えるよう脂肪として貯めることができますが、水はこのように蓄えておくことはできないのです。したがって水分は定期的に補給する必要があります。

脂肪の貯蔵量にもよりますが、食べ物がなくても数週間から数ヶ月は生きられます。しかし、水がなければほとんどの人が数日しか生きられないことでしょう。

カフェインやアルコール、炭酸での水分補給には注意

水分補給には新鮮な水が一番ですが、ほとんどの人はコーヒーや紅茶、アルコール飲料、炭酸飲料、栄養ドリンクやスポーツドリンクから水分を摂取しています。

これらの飲み物はしばしば結果的に体内で脱水を引き起こすことがあります。

カフェインとアルコールは利尿作用があり、腎臓から送り出される血流から水分を奪う働きをします。炭酸飲料は悪い飲み物の代表格です。

血流で酸負荷を作り出し、カルシウムとマグネシウムが使われて激減してしまいます。

汚染された現代の水

純粋な水は水素原子2つと酸素原子1つで構成されています。残念ながら地球上にある水のほとんどは汚染されています。水道水ですらも微量の塩素やクロラミン、その他化学物質が含まれています。

現在稼働している水処理工場では除去のしようのない医薬品の影響も懸念されています。水処理の過程でバクテリアの殺菌に使用される化学物質の残留物は、消化管に存在する有益なバクテリアにとっては有害となり、体内の酸化ストレスを増やします。

文明社会の歴史を紐解けば、水系感染する伝染病を広げないという観点では、近代の水処理方法によってより安全な水にアクセスできるようになったと言えるでしょう。

しかし、多くの専門家は汚染物質、特に微生物叢に有害となる塩素を取り除くためにフィルターを使うよう勧めています。水の補給はどのような年齢でも長く健康を保つには不可欠です。

複雑で高価なものからシンプルで手頃な価格のものまで、容易に購入できる濾過のオプションはいくつかあります。一般的に使用されているのは蒸留、逆浸透膜、カーボン・ブロック・フィルターです。

カーボン・ブロック・フィルターは最も人気のある方法で、効果があり価格もそう高くありません。水差しへ注ぐものや、蛇口に装着するものなど各種あり、モデルにもよりますが、鉛を除去してくれるものもあります。

新鮮な飲み水をどんな方法で手に入れるにしても、環境のためにコップで飲むか、再利用可能な水筒を持ち歩きましょう。プラスチックのボトルに入ったミネラルウォーターをいくつも購入すると、使用後はゴミとなり結果的には環境汚染に繋がります。

それにより、子供達の世代が新鮮な水を得ることをより困難にしてしまいます。水は自然からの貴重な贈り物なのです。私たちみんなが水の供給を守るために生活を省みるなら、子供達の子供達の世代まで人間が一番必要とする資源の恩恵を受けることができるでしょう。

水をたくさん飲むためのヒント

  • どこへ行くにも水筒を持ち歩く。蛇口にフィルターが取り付けられているところがあれば水を補充し、もっと飲みなさいという合図と思うようにする。
  • 豆類、果物や野菜など水分の多い食べ物を積極的に食べる。
  • 毎食、食事前に一杯の水を飲み、食事中にもう一杯飲む。
  • ライムやきゅうりのスライス、果物ひと切れなどナチュラルでヘルシーなものを水に入れて風味を付ける。
  • 喉が渇くまで待たない。必要なら数時間ごとに通知が受けられるようにスマートフォンのリマインダーをセットする。
  • 外食のときは炭酸飲料やお茶、コーヒーよりも水を注文する。