近年、特に健康志向の女性の間でジュースやスムージーが大流行しています。

栄養を液体で摂取できるスムージーのみを扱う店がチェーン展開している国もあります。体内のクレンジングをうたう流行りのダイエットは、健康法の提唱者からセレブまで多くの人にもてはやされています。そして果物や野菜をジュースにするキッチン用品の売り上げも世界的に増加しています。

栄養を補給するのに、噛むべきか噛まざるべきか、それが問題です。

野菜ジュースやスムージーで栄養補給しても良いのか?

普通のスーパーにさえ特別なジュース売り場があり、ジュースバーが併設されていることすらあります。多くの役割をこなす忙しい女性なら、ジュースやスムージーを飲んで食事の代わりにしたくなったり、野菜やフルーツをとって体にいいことをしているような気分になったりするのも無理はありません。

運動の後にタンパク質の多いスムージーを飲むのは素早く栄養補給ができて良いのですが、人間という
ものは生物学的に健康のためにも喜びのためにも噛むようにできています。

食事を噛むことの効果とは?

噛むという行為は、食べ物に含まれる栄養素を体が消化、代謝するプロセスを始める手助けをします。

口に入った食べ物は歯で噛み砕かれて細かくなり、消化しやすくなります。噛むことが消化管を助けているのです。消化プロセスの最初の時点でよく噛めば噛むほど、後の胃腸の仕事は楽になるわけです。

また、よく噛むと食べ物からより多くの栄養素を体内に取り込むことができます。よく噛んで細かくした食べ物に比べ、サイズの大きなものは腸内を進むのに時間がかかります。すると細菌が増殖する余地を与えることになり、ガス溜まりや不快感の原因にもなります。

歯が食べ物を小さくするのに加え、唾液も重要な役割を果たします。

唾液には唾液アミラーゼと呼ばれる酵素が含まれており、まだ食べ物が口内にあるうちから脂肪や複合炭水化物の消化を始めます。さらに、唾液には酸を中和する働きがあるほか、抗菌作用を持つ物質が含まれていて、体が細菌と戦う手助けもします。食べ物を長く噛めば噛むほど唾液の量も多くなります。

努力をしたなら結果を得たいものです。健康的な食生活を意識して暮らしているのに、十分に噛まない
でせっかくの栄養素を逃してしまってはもったいないと思いませんか。

噛むことでダイエット効果が期待できる?

よく噛むには時間がかかります。そしてその間に体と脳が満腹感の度合いについて情報を交換します。

噛んでいる間に、食べ物の摂取量を管理するのに重要な物理的・化学的信号が脳に送られます。脳はどのくらい噛んだかをチェックすることで食べた量を知るわけです。

噛む時間が長いほど食事の量は減る傾向にあるため、研究者たちは、食事中により長く噛むことがダイエットに効果があると考えています。

例えば、170gの鶏の胸肉を食べるところを想像してみて下さい。

まずはフォークとナイフを使って一口サイズに切り分けなければなりません。そしてそれを一つずつ口に入れ、数秒噛んでから飲み込みます。何口かごとに水を飲むかも知れませんし、全て食べ終わるまでに約15分、あるいはそれ以上かかるでしょう。

次に170gのスムージーを飲むところを想像してみましょう。一口飲むのに1分もかからず、おそらく3、4口で飲み終わるでしょう。

鶏の胸肉を食べているときは、体内の適切な化学物質が脳にメッセージを送りカロリーと栄養素を取り込んでいることを知らせるのに十分な時間があります。

ところが、単に飲むだけでは短時間で済んでしまい、満腹感を伝える信号が脳まで届かない可能性があります。よく噛んでゆっくり食べることが減量に役立つというのは、そういうことです。

噛む回数は何回が効果があるのか?

ある研究では、被験者を2つのグループに分けてピザを食べてもらう実験が行われました。一方のグループには一口につき15回噛み、もう一方のグループには40回噛むように指示されました。

すると、40回噛んだグループで、空腹感が減り食べ続けたいという気持ちが減少しました

事実、噛むことは食べ物の摂取量にとってとても重要な要素で、ある調査ではガムを噛むだけで間食の量が減ることが示されています。

噛む回数が少なかったり、食べるのが早かったりする子供は、大人になってから肥満になる率が高いことを発見した研究もあります。

まとめ

いろいろな科学的事実を紹介しましたが、噛むということは楽しいことでもあります。食べ物を噛むと様々な風味や歯ごたえが楽しめるので、おいしいものを時間をかけて味わうことができます。

スムージーも一気に飲むのではなくじっくりと味わうのであれば、悪いものではありません。

ブレンダーで液状にしてあるので噛む必要はありませんが、少しずつ口に含んで、その都度15~20秒ほど味わってから飲み込めば満腹感がアップするとともに、唾液と混ざり合うことで酵素が複合炭水化物の消化を始め、消化プロセスの助けとなります。

スープでも同じです。よく味わって、飲み込む前に唾液と混じりあうように工夫すれば、満腹感につながり全体的な摂取カロリーの量を減らすことができます。

多くの女性は家庭と仕事を両立させるため忙しい毎日を送っています。

時間をかけて食事を味わう、それだけで贅沢に近いものがあるでしょう。それは体だけでなく心にもよいことなのです。ぜひやってみて下さい。