歯と歯茎、粘膜は清潔かつ健康な状態に保たなければなりません。

広く一般に好まれている飲み物でも、コーヒーや赤ワインなど、種類によっては歯に汚れがつきやすく、歯の表面を守っているエナメル質にダメージを与えるものがあります。

呼吸や飲食の出入り口となる開口部に優しい習慣や食べ物を知って、上手にケアしましょう。

口腔衛生の重要性を示す研究は続々と発表されています。細菌、真菌、ウイルスといった口腔内の微生物叢と、歯と歯茎の健康は、全身の健康状態と直接関係しています。

なかでも、心血管系と脳神経系の健康との相関性は注目を集めています。

リンゴ

1日1個のリンゴで歯科医院に行く回数を減らせるかも知れません。

年に2回の健診とクリーニングに置き換えることはできないものの、リンゴは天然の歯ブラシとして古くから親しまれてきました。リンゴの皮と果肉は繊維質が豊富で、咀嚼する間に歯の表面が優しく磨かれます。

リンゴジュースは繊維も栄養も損失しており、大量の砂糖が追加されているので、生のリンゴと同様の作用は期待できません。1 お口の健康を考えるなら、青リンゴのグラニースミスなど、糖分の少ない品種を選ぶのがよいでしょう。

ナシ

果物には酸を多く含むものがたくさんあり、酸は歯を覆うエナメル質にダメージを与えます。ところが、ナシは水分が非常に多く、果肉に繊維質がたっぷり含まれているので、歯が優しく磨かれます。

ニンジン

リンゴやナシと同様、ニンジンも繊維質が豊富です。歯ごたえのあるニンジンを噛み砕くことにより、口腔内を保護する唾液の分泌が促進されます。ニンジンは果物よりも糖分が少ないので、リンゴやナシ以上に優れた利点をもたらします。

シュガーレスガム

無糖タイプのチューインガム(キシリトールのような天然甘味料使用)は食後に有効です。

口腔内を潤し、虫歯予防に寄与してくれます。シュガーレスガムを噛むことで唾液線が刺激され、より多くの唾液が分泌されて、酸化が始まる前に細菌が洗い流されます。キシリトール入りのシュガーレスを選ぶのがポイントです。

チーズ

カルシウムを含むチーズは骨に良い食品として知られていますが、歯との関係に着目した研究では、チーズの好きな方にとって嬉しい結果が報告されています。

会員が相互に査読している臨床歯科の専門誌(General Dentistry)に掲載された研究によると、チーズ
を食べた被験者の口腔内ではpH値が上昇し(酸が減り)、虫歯が抑えられることが認められました。

透き通った水の力を忘れてはいけません。甘味料や添加物を混ぜていない水をたっぷりと飲むことは口腔衛生上でも重要です。それは浄化作用が働くからです。レモンやライムを加えると風味は良くなりますが、酸がエナメル質を弱くしてしまうので、歯のことを考えるなら避けた方がよいでしょう。

歯磨き、フロス

年齢を問わず、朝と夜、そして糖分や酸を含むものを口にした後に歯磨きをする必要があります。フロスも毎日の習慣にしてください。

子供がいる方はできるだけ早くから望ましい習慣を定着させるようにしましょう。歯が生えてくる前の赤ちゃんの時から馴染ませていってもよいくらいです。歯磨きは正しく行えば2、3分で済みます。歌1曲分を目安にしてもよいでしょう。

屋外で過ごす時間を増やす

日光と歯の健康は一見相関性がないように思われますが、健康な歯を維持するにはビタミンDが欠かせません。ビタミンDを確保する最善の方法は直射日光を浴びることです。

温帯域であれば、春、夏、秋と太陽の下に出るだけでビタミンDが得られます。日の短い冬はサプリメントの併用を検討してみましょう。ビタミンD3と相性の良いビタミンK2を一緒に摂取すると、カルシウムを軟組織に留めず歯や骨まで届けるように働きかけることができます。

糖分を避ける

好ましくないものを避けるのは、ヘルシーな習慣を取り入れるのと同じくらい重要です。アイルランドのデンタルヘルス・ファウンデーションによると、虫歯の最も重大な原因は糖を大量に含む食品・飲料を日常的に口にしていることだそうです。最悪なのはソフトドリンクで、大量の糖が虫歯のリスクを増大するだけでなく、強い酸性によりエナメル質を脆くしてしまいます。

輝くような笑顔を手に入れたい、歯医者にはなるべく行きたくない、と思うなら、ソーダ類や甘い飲み物、甘いおやつは制限するべきです。

お買い物をするときも成分表示を確認しましょう。包装済みの食品には予想以上に多量の糖分が含まれています。とてもヘルシーな食品であっても、糖分や歯にダメージを及ぼしうる成分を含んでいることはあります。例えば、新鮮な果物には天然の果糖が含まれています。しぼりたてのジュースでも、砂糖と同じくらい歯を傷める可能性はあります。

レモン、オレンジ、その他酸味のある果物は酸性度を上げ、口腔内のpHバランスを崩します。そのままにしておくと細菌がプラークを増やしていってしまいます。ですから食後は(食事内容がヘルシーであっても)必ず歯磨きをすること、寝る直前に飲み食いしないことが大切です。

入念なケアに:オイルプリング

より入念にお口の健康に取り組みたい方は、オイルプリングを試してみてはいかがでしょうか。

オイルプリングはインドでは古くから行われてきた健康法です。欧米では馴染みがなかったもので、アメリカにはウクライナの医師(F. Karach, MD)が紹介したと言われています。

複数の研究を系統立てて精査したところ、プラークの形成とプラークに由来する歯肉炎の予防に有効であることが示されました。4,5 ココナッツオイル、マカダミアオイル、その他風味のよい良質のものなら手持ちのオイルでも利用できます。

大さじ1杯ほどのオイルを口に含んで、数分間、オイルで歯をしっかりとゆすぎます。使用済みのオイルで排水管を詰まらせないよう、ペーパータオルなどに吐き出してごみ箱に捨ててください。これで口腔内の毒性物質が除去できる、というわけです。

その後は水でよくすすいで、いつものように歯磨きをしてください。健やかで美しい笑顔はすばらしいものです。適性な食事をし、歯磨きとフロスをきちんとしていれば、輝くような笑顔を維持しつつ、心臓や脳の健康を守っていくことができます。