複数の研究によれば、自分一人で何かするよりも仲間で何かをする方がずっと良い効果があるということです。

グループ・エクササイズには、フィットネスを楽しみたい仲間が集まる気軽な同好会や、インストラクターが指導するより本格的なクラスなどがあります。

仲間で集まるパワーを利用して新年の体力づくりの目標を達成する方法をご紹介します。

まずは社交を兼ねて気軽に楽しむ

グループ・エクササイズは大人にとっても楽しいアクティビティです。仲間と一緒に体を動かし、日常の動き(デスクワークなど)とは違う動きをし、人と交流しながら充実した時間を過ごせます。

言葉を換えれば、若返ったような気持ちになる、大人にとっての遊びとも言えるでしょう。

実際、研究では人と一緒にエクササイズをすれば、一人でエクササイズする時よりも、運動後により落ち着いた気分になる、と示されています。

グループ・エクササイズに参加していると、何か新しいこと、楽しいことにチャレンジしたいという気持ちになる傾向があります。

多くの人はエクササイズを諦める一番の理由に退屈さを挙げています。グループで楽しむエクササイズは、思い切って一歩を踏み出し、新しいクラスにチャレンジする勇気を与えてくれます。

仲間の存在が、違うゴールを目指したり、違う方法を試したりする後押しになります。

例えば、ジョギングやランニングのグループなら、長距離をゆっくり1日で走ることもあれば、短距離を全速力で走ることもあるでしょう。

ダンスやワークアウトのクラスでは、ダンスパートナーが変わったり、いくつか異なるタイプのダンスに挑戦したり、といった変化が人々を惹き付ける場合があります。

ヨガのクラスでは、インストラクターが動きの順番を変え、様々なポーズや難易度のものを取り入れています。

複数人で運動する生理学的な効果とは

オックスフォード大学の認知・進化人類学研究所では、ボート競技のチームメンバーの生理学的差異について調べました。

メンバーを2つのグループに分け、1つはエクササイズを一緒にやるように、他方は一人ひとり個別に
同じエクササイズをするように設定し、エクササイズ後の血圧測定時に苦痛の度合いについて聞き取り調査を行いました。

その結果、チームメイトと一緒にエクササイズをしたグループは、個別にしたメンバーと比べ、苦痛に耐える力が2倍に上ることが明らかとなりました。

研究者によると、チームメイトと一緒にトレーニングしたメンバーは「個別にするトレーニング方法と比べ、エンドルフィン(幸福ホルモン)が急上昇」したのだろうとしています。

その作用は、踊り、食事や笑い、といった人々に幸福をもたらす日常の活動と似ているということです。

英国のイースト・アングリア大学の医学部による研究でスポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン」に発表された内容によると、グループで屋外ウォーキングをしている大人は、安静時の心拍数が低めで、血圧値は最適範囲により近く、体脂肪が少ない傾向にある、という結果が出ています

仲間との運動は、意欲と目標意識を高める

私たちの思考や感情は行動と相互に関わり合っています。意思や思考が行動を起こし、それが現実に影響してきます。

健康についてポジティブな変化を積極的に受け入れるアクティブな大人に囲まれていれば、同様に自分自身にも意欲が湧いてくるようになるでしょう。

このような人々は、さぼりたくなる気持ちを防ぎ、ゴールを見失わず、ベストを尽くそうと思うように導いてくれます。

人は仲間とつながっていると感じるときや、自己にとどまらず他者に対しても責任を負っていると感じるとき、実際に行動を起こす可能性が高くなります。

朝のウォーキンググループに合流する予定で目覚ましをかけていても、二度寝したくなる日はあるでしょう。

でも、皆がお互いの存在を頼りにしているという意識があれば、行こうという気になれるものです。ある研究では、配偶者と一緒にジムに通う場合、断念する確率はほんの6.3%、別々に通う場合は43%に上ることが立証されました。

別の研究では、体幹を強化するプランクの姿勢を一人でやるか、バーチャルパートナーと続けるか、実在のパートナーと取り組むかを選んで実行してもらいました。

この3つのオプションで一番長く続けられたのは実在のパートナーがいる場合で、一人でやるよりも1分20秒長く姿勢を維持できました。

前述のボート競技の研究では、グループのエクササイズがより多くのエンドルフィンを誘発する理由として、ゴールを共有し、仲間意識を持つことが鍵になる、という説が提唱されています。

人は仲間と共通したゴールを目指して努力するとき、一人でやるよりも達成しやすいと感じるそうです。

言い換えれば、他者に対する責任を実感することで目標がより明確になり、自己の意欲へとつながっていくということです。

つまるところ、人間は社交的な生き物です。何かを成し遂げるなら、一人でやるより集団で一緒にやる方が良いという具合に、私たちはできているのです。

何か新しい習慣を身につけようとしている時も然り、です。体に悪いことをやめ、健康維持に役立つことを続けたいと願っている人にとって、仲間の支えは大きな助力となります。

近頃の研究でも明らかになっているように、仲間意識には、良薬に匹敵するパワーがあるのです。