主要ミネラルと微量ミネラルとは

人の生命活動に必要な主要ミネラルは、1日の食事から推定摂取量によって「主要ミネラル」と「微量ミネラル」に分けられます。

1日の推定摂取量が100mgより多い「主要ミネラル」はカルシウム、カリウム、リン、マグネシウムなど7種類です。

1日の推定摂取量が100mg以下の「微量ミネラル」は鉄、亜鉛などの9種類です。日本では性別、年齢、ライフステージにより13種類について摂取基準が定められています。

ミネラルの作用、過剰摂取、欠乏症の一覧表

成分名生理作用所在場所過剰摂取欠乏症
カルシウム歯や骨の形成
細胞の情報伝達
神経の興奮を抑える
骨、歯、血液
筋肉、神経
泌尿器系結石
鉄・亜鉛・
マグネシウムの
吸収を妨げる
骨の発育障害
骨粗鬆症
リン歯や骨の形成
リン脂質・核酸
ATPの構成成分
骨、歯、筋肉、
脳、神経、肝臓
カルシウムの吸収を
妨げる
腎機能低下
骨や歯が弱くなる
カリウム再貿易の浸透圧の調整
細胞内の酵素サポート
全身高カリウム血症脱力感
食欲不振
マグネシウム歯や骨の形成
体内酵素の正常な働き
血液循環の正常化
骨、筋肉、脳、
神経組織
軟便
下痢
動機、不整脈
神経過敏
抑うつ症
ナトリウム細胞外液の
浸透圧の維持
細胞外液高血圧
疲労
食欲低下
塩素たんぱく質の消化促進
老廃物の除去
PHバランスの調整
膵液の分泌促進
胃液なし消化不良
食欲低下
硫黄皮膚、爪、髪を形成皮膚、爪、髪なし皮膚炎、しみ
髪や爪の発育阻害
赤血球の形成赤血球、筋肉
肝臓
鉄沈着症
急性中毒
貧血
亜鉛味覚の正常化
皮膚や粘膜の正常化
たんぱく質の代謝
骨、歯などすべて頭痛、吐き気
イライラ、不安
味覚障害
成長障害
貧血、精力低下
鉄の吸収を助ける筋肉、骨、内臓なし貧血
毛髪異常
骨格の形成異常
マンガン肝臓の酵素作用活性
骨の発育
肝臓、腎臓なし骨の発育不良
精力減退
ヨウ素発育を促進
基礎代謝を促進
甲状腺甲状腺肥大
甲状腺がん
甲状腺肥大
甲状腺がん
セレン抗酸化酵素の構成成分肝臓、腎臓吐き気、嘔吐
脱毛、爪の変形
心筋症、不整脈、
動脈硬化
疲労
モリブデン尿酸を作るサポート肝臓、腎臓尿酸値が高くなる
銅の排泄量が高い
頻脈、多呼吸
発がんリスク
クロム糖質、脂質
たんぱく質の代謝
すべての細胞なし血糖コントロール悪化
動脈硬化
疲労
コバルトビタミンB12の成分
造血
血液、骨髄なし貧血
神経障害

ミネラルの摂取上限量

成分摂取上限量
カルシウム2,500mg
リン3,000mg
マグネシウム食品以外からの摂取
350mg
男性 50mg
女性 40mg
亜鉛男性 40mg
女性 35mg
10mg
マンガン11mg
ヨウ素3,000μg
セレン男性 420μg
女性 330μg
モリブデン男性 550μg
女性 450μg

カルシウムとマグネシウムの相乗効果

マグネシウムは59%が葉や骨に、40%が筋肉に、残り1%が血液に存在しています。

血液中のマグネシウムが不足すると、骨に蓄えられているマグネシウムが溶けだして不足分を補いますが、この時にカルシウムも一緒に溶けだしてしまうため、骨量が減少して、骨の強度が低下します。

また、筋肉を動かす働きにおいてもマグネシウムとカルシウムは深い関係があります。

カルシウムが筋肉細胞の中に入り筋肉を収縮させるのに対し、マグネシウムは収縮しすぎないようにカルシウムの量を調整します。

マグネシウムが不足すると、血管や心臓の筋肉組織が異常に収縮し、やばいことになります。

ある研究では、マグネシウムに対してカルシウムの割合が高くなりすぎると、心筋梗塞などの健康障害が生じるとのこと。

その後の研究から、健康を維持する理想的なカルシウムとマグネシウムの摂取比率は2:1と言われています。

カルシウムとビタミンDの相乗効果

ビタミンDは肝臓や腎臓で活性型ビタミンDに変身し、腸からのカルシウムの吸収を助け、骨の代謝を促す働きがあります。

血液中の活性型ビタミンDと腸管からのカルシウム吸収能力の関係を調べた研究では、活性型のビタミンDの濃度が上昇すると、吸収能力が上がることがわかっています。

また、ビタミンDが不足するとカルシウムの骨への沈着が妨げられ、骨の硬さが不充分になることがあります。そのため、カルシムを摂る場合はビタミンDもセットで摂りましょう。

カルシウムが不足するとイライラするわけではない

イライラすると「カルシウム不足?」とよく言われます。しかし、カルシウムが不足しているからイライラするわけではありません。

医学的には血液中のカルシウムが極端に不足すると、不足分を補うため骨から過剰にカルシウムが溶けだし、神経細胞内に蓄積されると情緒不安定などイライラ症状が生じます。

しかし、このような症状はカルシウムの摂取不足ではなく、ホルモンの異常などの病気が原因です。

一方、イライラやストレスが生じると、腸管からのカルシウム吸収が妨げられます。そのため、ストレスがある時ほどカルシウムをたくさん摂取しましょう。