運動後の食事を適切にすれば、筋肉の痛みを和らげ、体脂肪を効率よく燃やし、全体的なエネルギー水準を高め、早期回復を促進し、免疫系を強化することができます。

具体的には、1点目については水分と糖質(グリコーゲン)、2点目と3点目についてはタンパク質、4点目については抗酸化物質を摂取することが鍵となるでしょう。

運動後に必要な栄養素、グリコーゲン

人間の体内では、エネルギーはグリコーゲンとして蓄えられています。

グリコーゲンはでんぷんに似た複雑な分子ですが、ブドウ糖のような単純な構造の糖(体にとって有用な主要炭水化物)で構成されています。運動するときはどんな動作でもグリコーゲンの力が発揮されます。体を激しく動かすと、それだけ多くのグリコーゲンが消費されます。

ですから、かなりの運動をした後は、エネルギー源を取り戻さなければなりません。体は食事から得られる複合炭水化物を使って体内のグリコーゲンを望ましい水準に戻します。

複合炭水化物は持続性に優れたエネルギー源として知られています。つまり、運動の前にも後にも望ましい栄養なのです。

複合炭水化物が多く含まれる食品とは

複合炭水化物は、オートミール、玄米、キヌア、ジャガイモ、豆類、全粒穀物に含まれています。

精白されていない穀類から作られる(全粒小麦に限りません)パン、シリアル、パスタも、複合炭水化物が豊富なので、エネルギー補給用の食品として適しています。

水分補給は十分に行う事

運動すると汗をたくさんかきます。発汗で水分を失うと、疲労につながります。運動を始めて30分もすると、軽度の脱水症状が生じます。

これがやがて、頭痛、疲労、過敏反応の原因となります。長時間の運動や激しい運動をすると、体重の6~10%もの水分を発汗で失う可能性があります。

脱水による疲労を防ぐには、運動前、運動中、運動後に水をたっぷりと飲むことが重要です。

休息と栄養補給による筋肉の修復と成長

運動(特に筋力トレーニング)をすると、ミクロのレベルで筋肉組織に損傷が生じます。

損傷と言っても、筋肉量を維持し増やしていく上では自然で健康的な過程にすぎません。運動後の体は自力で修復をしなければなりません。

筋肉組織の修復と再構築は、損傷した古いタンパク質を分解し、新しいタンパク質を合成することによって進みます。これはタンパク質のターンオーバー(代謝回転)と呼ばれます。

ベジタリアン、ヴィーガンのたんぱく質補給

ターンオーバーを行うには、タンパク質を摂取する必要があります。質の高いタンパク質の摂取源としては、低脂肪の肉、卵、乳製品などがあります。

ベジタリアンやビーガンの方も様々な食品からタンパク質が摂取できます。ただし、タンパク質になるアミノ酸を全種類含んでいる植物性食品はほとんど存在しません。レンズ豆やピーナッツなどの豆類と玄米や全粒小麦などの穀類を組み合わせて、タンパク質のもとになる栄養を確保してください。

例えば、全粒穀物のパンにピーナッツバターを塗ったものは、筋肉作りに役立つ手軽なおやつになります。他にも、黒豆と玄米、全粒粉のピタパンとハマス、豆のスープとクラッカー、ナッツとシードのローストといった組み合わせもおすすめです。

必須アミノ酸や分岐鎖アミノ酸を単独(遊離)状態で摂取できるスポーツ飲料なら、筋肉中のタンパク質の再構築に必要な栄養がスムーズにとり込めます。

たんぱく質を補給するタイミングとは

また、就寝前にタンパク質の豊富な軽食をとると、さらに筋肉の回復に有益なことも明らかになっています。

運動した日の夜は体を回復させるチャンスです。寝る直前に少量のタンパク質を摂取すると筋肉のタンパク合成が促進され、全身のタンパク質がバランスよく調整されるそうです。

激しい運動をした翌朝は、タンパク質の豊富な朝食で体をサポートしましょう。タンパク質を追加すると、筋肉の回復と成長をさらに助けるだけでなく、前日の運動の「ご褒美」として食べ過ぎてしまうのを防ぐことができます。

しっかりと体を動かした後は、不健康なおやつや大量の食事で気持ちを満たしたくなるかも知れません。「これくらいなら大丈夫」「同じくらいのカロリーは消費済み」といったように心の中で正当化するのも、運動後なら簡単です。

タンパク質の豊富な朝食をとっておけば、一日の食欲を上手に抑えて、ご褒美と称して余分なものを食べるのを防げます。

研究によると、筋肉のタンパク合成率は、筋力強化トレーニングの4時間後に50%、24時間後に100%以上に達するということです。運動後はなるべく早くタンパク質を摂取して、寝る前にも軽く足しておくことで、運動の成果を最大限に引き出しましょう

運動によって発生した活性酸素を除去する方法

体内の活性酸素は運動中に急増し、酸化ストレスで体内に損傷をもたらします。活性酸素は、運動に起因する酸化ダメージの根本に関与しています。

このような損傷を防ぐには、運動後に抗酸化物質をたっぷりと摂取するのが賢明です。

活性酸素は本来対になっているべき電子の一方を失った不安定な分子で、反応をおこしやすい性質があります。失われた電子を取り戻すため、活性酸素は別の原子や分子から電子を盗み、新たなフリーラジカルを生みます。

その連鎖反応はタンパク質や細胞膜など敏感な構造部に損傷を与えます。抗酸化物質は安定した状態を保ちつつ電子を分け与えることにより、活性酸素の連鎖反応を終わらせます。

たいていの果物や野菜には多少なりとも抗酸化物質が含まれています。概して、色の鮮やかな食材ほど、抗酸化物質の含有量は高い傾向にあります。

ブドウ、ブルーベリー、チェリー、濃い緑色の葉野菜、サツマイモは特に抗酸化物質が豊富な食品です。淹れたてのお茶も抗酸化物質がたっぷりです。

時間にして連続で45分間以上、ウエイトトレーニングやインターバルトレーニング、持久力強化エクササイズをした後は、栄養面の対策が必要になります。